iタウンページと言えば天下のNTT系列企業さんが運営しているサイトで、膨大な量の店舗や企業情報が掲載されています。
弊社のお客様から、
「載せた方が良いの?」
というご質問をいただいたので、それに回答すべく調べてみました。
ちなみに、私も以前利用させていただいていた経験があります。
考えられる4つの効果
このような情報サイトは多数あります。良くも悪くも、情報サイトやランキングサイト全盛の時代。
有料無料とあまた存在する中で、掲載した方が良いのかどうか、判断に迷うケースは少なくないですね。
先ずは、掲載されるとどんな効果があるのか?について、ホームページ制作やSEO対策を専門にしている目線で考えてみます。
①知名度の向上
様々なキーワードで検索された際に、iタウンページが検索上位に表示されていれば、単純に掲載企業の露出度や知名度が上がります。
②ホームページへの流入効果
①の効果に続き、そこ(iタウンページ)に自社のホームページへのリンクがあれば、自社のホームページを見に来てくれる人が増えます。
③リンク効果
iタウンページに自社サイトへのリンクがあることで、SEO上のリンク効果が得られます。特に権威性のあるサイトだと思われますので、ある程度のリンク効果は期待できそうです。さらに言えば、ちょっと専門的な話になりますが、リンクにNoFollowがついていないので、その点でもメリットがあります。
④ホームページの代わりになる
恐らくこのサイトの機能の一つに、「ホームページが作れる」という点があると思われます。一般的には、独自ドメインを取って自社のホームページを作りますが、iタウンページの中にもホームページと同じ内容のものを作ることができます。
デメリットは?
登録することでデメリットになるような事は無いと思います。
ただ、先ほどの「④ホームページの代わりになる」について、独自ドメインなどで自社のホームページを持っているのであれば、逆に④はメリットにはなりません。
Googleは基本的に同じ内容のサイトを評価しませんので、同じようなホームページが2つ作るのはお勧めしません。あくまで、自社のホームページを持っていない企業が、その代わりにiタウンページ内でホームページを持つならアリということです。
それに同じ内容のサイトが2つあると、事業の内容(営業時間や住所など)が変わったときには両方更新しないと間違った情報をいつまでも放置する結果になりますので、その手間を考えるとデメリットになります。
iタウンページは効果的か?
掲載することで考えられる効果は先に挙げた通りですが、ではそれがどの程度効果が見込めるのか?
費用対効果はどうか?
という点についてズバリ、
「ここでは言えません」
ただ、それを調べるためのヒントはご紹介できます。
先ほど列挙した、①~③の効果について考えた場合、
「がどれくらい検索で表示されるのか?」を調べると良いです。
これすごく重要です。
調べる際には、自社名や屋号ではなく、一般名詞で調べてください。
例えば、今回ご相談いただいたお客様は所沢市内のクリニック様ですが、その場合、
「所沢 内科」とか、「所沢 アレルギー科」などのキーワードを入れて検索します。
そこに、iタウンページ内に作った自院のページが出てくるとか、あるいは掲載されている所沢市内のクリニックの一覧が出てくれば効果は高いですね。
本来であれば、「所沢 内科」で検索された時に、自院のサイトが一番上に表示されるのが一番嬉しいですが、その代わりにiタウンページが上位に表示されていれば高い効果が見込めます。
ただ、実際のところ「所沢 内科」を含めて今回いくつかのキーワードで検索してみましたが、残念ながらiタウンページは上位に表示されず、それどころかどこにも表示されない、「圏外」でした。
ということは、少なくとも今回調べた所沢のクリニックで見込めるキーワード検索では、iタウンページはほとんどアクセスの無いページの可能性があるということです。
アクセスが無ければ少なくとも先ほど記載した①~②の効果は期待できません。
逆に、上位に表示されている情報サイトは、ドクターズ・ファイルや病院なびなどが上位に表示されていました。
ちなみに、掲載されていると、自院の名前(○○クリニック)で検索した場合にはiタウンページは上位に表示されていると思われ、今回調べたケースでも、クリニックのホームページの次にiタウンページのページが表示されていました。
ただ、これにメリットがあるかというと、残念ながらあまり無いでしょうね。先ほども記載したように、自社のホームページが無い場合なら、その代わりにiタウンページでホームページを持つのも選択肢としては有りますが、自社のホームページがあるのなら、わざわざ同じようなページを作るメリットが有るかどうか・・・。
そういう訳で、iタウンページに掲載される効果があるかどうかを調べる方法としては、自社事業に関係するキーワードで検索してみて、そこにiタウンページや、そこに載っている他社のページが検索結果に表示されるかどうかを調べてみてください。繰り返しますが、社名や屋号で検索するのではなく、一般名詞ですよ。
例えば歯科医院様なら、「歯医者」「矯正」「インビザライン」「インプラント」「虫歯」などで検索してみましょう。
ピアノ教室をされている事業者様なら、「ピアノ教室」「音楽教室」「ピアノ 習う」など様々なキーワードで検索してみましょう。
そして、その検索結果にiタウンページがどれだけ表示されるかを見てください。
そこで上位に表示されていたり、さらには複数のiタウンページのページが表示されているようなら、かなり効果があると思われます。先の①~④すべてにおいて効果的です。
リンク効果について
もし検索結果にiタウンページが表示されなかった場合でも、先に記載した“③リンク効果”は期待できるかもしれません。
一般的に情報サイトの場合、リンクにはNoFollowというのが仕組まれていることが多いです。NoFollowについて詳しい説明はしませんが、これが付いているとSEO対策上のリンク効果は無いということになっています。ちなみにNoFollowが付いているかどうかは、ただホームページを見てもわかりません。
しかし、iタウンページはNoFollowが付いていないようですから、リンクの獲得という意味では掲載する価値はあります。
また、iタウンページ自体のドメインパワー(サイトの力を示し、これが高いサイトからのリンクは効果が高いと言われている)はかなり高いので、リンク効果は見込めます。
あとはその費用対効果ですね。何が何でも被リンクを獲得したいなら掲載しますし、そこまで費用をかけたくないなら掲載しないという判断になるでしょう。
また実際にどれくらいリンク効果があるかは、サイトごとに詳しく調べてみないと何とも言えません。
専門情報サイトとの比較
ドクターズ・ファイルや病院なびなどは、医療機関に特化した情報サイトです。さらに、そこにはクチコミなども掲載されています。
似たような趣旨の情報サイトは様々な業界で作られていて、それについてお客様からお嘆きの声も頻繁にお聞きしますので、問題も無くは無いですが、ただ現在のところそのように特化したサイトは上位に表示されやすいことは間違いありません。
それに対し、iタウンページは日本中の企業や店舗などを幅広く掲載する情報サイトです。残念ながら、このようなサイトは現在のGoogleの評価基準(アルゴリズム)では上位に表示されにくいです。
ただ、エキテンもiタウンページ同様、業種に特化しない情報サイトですが、検索ではあちこちに表示されます。
例えば、「所沢 マッサージ」で検索するとエキテンは3番目に表示されます。
まとめと感想
iタウンページのような情報サイトはたくさんありますが、それぞれのサイトの目的や作り方には違いがあります。
最近、別のお客様からも似たようなご質問があり、銀行系が作った似たようなサイトについて、掲載すべきかどうかのご質問をいただきました。
どちらも共通点があり、それは「ホームページを持っていない企業向けに、ホームページを簡単に作れる」という点で、情報サイトの中にホームページを作るスタイルですが、感想としては少々時代遅れな感じです。
「紙のタウンページをウェブサイトにしただけ」という印象で、小学生でも検索して調べるのが当たり前の時代に、「ただ情報を載せただけ」で検索にはあまり出て来ない情報サイトでは価値を見出すのが難しいと感じます。
ドメインパワーが高いにも関わらず、なぜiタウンページで作られたページが検索では出て来ないのかは詳しく調べてみないとわかりません。
ただ、弊社がお客さまに
「iタウンページは効果が見込めるので掲載してもらった方が良いですよ」とは言いにくいのが現状です。
ちなみにエキテンはお勧めしています。
恐らく、iタウンページは本気を出してないのだと思います。あれだけの企業ですから、本気を出せばあちこちでiタウンページの掲載企業の露出は増えるはずですね。まあ、本気を出さなくても良いから出してないのかも知れませんが・・・。